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  • 執筆者の写真小野川芳雄

印刷屋さんの現場からお届けしま~す!|飲食店のメニューはシズル感あふれる鮮やかな色にこだわりたい|動画あり

更新日:1月23日

年賀状や招待状、チラシ作りなどの外注でお馴染みの印刷。でも、実際にそれらが刷られている現場に足を踏み入れたことがある人はあまりいないのでは?今回は印刷の現場風景を動画とともにご紹介します。


試し刷りのカラーチェック台

飲食店 メニューデザイン
Yoshio Onogawa/menudesign.jp

ご紹介する現場は、40年来ものお付き合いになる印刷屋さん。


私がフリーランスデザイナーとして独立する前からのお付き合いですから、気が遠くなるくらい長いですよねぇ。それだけ信頼できる印刷屋さんなんです。


印刷物は、京都・大阪を中心に関西圏で人気のお好み焼・鉄板焼のチェーン店「きん太」のグランドメニュー。全26ページの大作を刷りあげます。


昨今の印刷方法の主流は、パソコンから直接印刷機にデジタルデータを送って刷り上がりを待つだけのオンデマンド印刷ですが、今回は、あえて昔ながらのオフセット印刷を採用。


「版」を作ったり、試し刷りが必要だったり、何かと手間暇かかるオフセット印刷ですが、【細かい色調整が可能】という、オンデマンド印刷には無い大きな魅力があるんです。


食欲をそそる色にこだわりたい小野川は、オフセット印刷の際はかならず現場に足を運んで、色の具合いを確認・指示出し・調整。十数年、このスタイルを貫いています。


今回の、26ページからなるメニューの場合、試し刷りの回数は計13回。


見開き1ページごとに試し刷りしては、確認・指示出し・調整。納得いかなければ、さらに刷り直して調整を重ね、よし!となったら、ようやく本刷りに入ります。


「お好み焼きの画像のこの部分に赤味を出したい」とか、「こんがり焼けている端っこの色の濃度を若干上げたい」とか。完成までの2日間、終日付きっ切りでチェックましたよ!


毎度、重箱の隅をつつくような細かい色調整に辛抱強く付き合ってくれる印刷オペレーターさんには、まったく頭が上がりません。。


いまどき、こんなアナログな作業をしているデザイナーって、ほとんどいないんじゃないかなあ。絶滅危惧種?時代の流れってやつですね。


早くて安くて手軽なオンデマンド印刷も良し。手間暇と少々のお金はかかるが色味鮮やかなオフセット印刷も良し。


当サイトも目的によって、3つの印刷屋さんを使い分けています。



オフセット印刷輪転機

飲食店 メニュー制作
Yoshio Onogawa/menudesign.jp

上記の画像が印刷機の「オフセット印刷輪転機」


オフセット印刷では、「版」を作り、インクを「ブランケット」と呼ばれるゴムローラーに転写してから紙に印刷します。


オフセット印刷輪転機の4つの凸部分にはゴムローラーが内蔵されていて、右から順にK版(黒色)→C版(青色)→M版(赤色)→Y版(黄色)のカラーインクが仕込まれています。


右から左へ紙が送られ、4色のゴムローラーをすべて通過したら刷り上がる仕組みです。


試し刷りも必要なので、印刷物の完成まで時間もかかりますし、「版」を作る分、小ロットの場合は単価も高くなりがちですが、


写真など微妙な色合いの再現性が高く、印刷物を鮮明に仕上げることができるのがオフセット印刷の魅力なんです。



輪転機の右から左へ紙が送られていきます。

カシャコン、カシャコン、カシャコン・・・リズミカルに紙が送られていきます。



輪転機の凸に内蔵されている「ブランケット」と呼ばれるゴムローラー

画像は赤色担当のゴムローラー。紙が通過する前にムラが出ないよう手作業でインクを練っているところ。



輪転機の左端。4つのローラーを通過して刷り上がったところ

試し刷りの場合は、刷り上がった紙を冒頭の画像のカラーチェック台に置いて、印刷オペレーターがボタン操作で色味や濃度を調整。小野川が出したい色味を適確に再現してくれます。



刷り上がったメニュー(片面)

飲食店 メニューブック制作
Yoshio Onogawa/menudesign.jp

刷り上がったメニュー(もう片面)

飲食店 メニューデザイン
Yoshio Onogawa/menudesign.jp

丸二日かけて、ようやく両面が刷り上がりました~!!やり切った感がハンパないっ。


刷り上がったメニューはこの後、PP加工や型抜き、製本など多数の後作業を経て、本日3月15日に目出度く納品されました。


店頭にお目見えするのは3月18日(金)~。お近くの方は「きん太」の最新グランドメニューをぜひ、目で舌でお楽しみください!


詳細はまだお伝えできませんが、メニューの全ページに美味しいものが咲き乱れていることは間違いございません。



印刷屋さんからの中継、お楽しみいただけましたか?

機会あれば、またデザイン制作の舞台裏をご紹介したいと思います。



本日もよもやま話にお付き合いいただき、ありがとうございました。


では、また。

 

Work:メニューデザイン制作





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